『ザ・オーディエンス』 ナショナルシアターライブ2014
ナショナルシアターライブは2月にフランケンシュタイン見たので今回2回目です。
ザ・オーディエンス、とっても面白くて素晴らしい演劇作品でした。こんなにいい演劇を観ることができて感動です!
ヘレン・ミレン扮するエリザベス2世と歴代の英国首相との謁見が舞台になっているのですが。一般人が知ることのできない謁見、女王と首相がどんな会話を繰り広げていたのか。とても興味深い題材ですよね〜、よくここに着目したなって思いますよ。
もちろん、脚本を書いたピーター・モーガンも謁見の内容を知るはずがないし、全て想像、妄想ですよね(笑)
私なんか英国首相のことがわからないけど、現地のお客さんたちは大爆笑するシーンたくさんありましたよ。
きっと時代背景や時事ネタ、一般に知られる歴代首相の人となり、英国の人にしかわからない面白さがふんだんにつまっていたんだろうなあ。私にもっと知識があれば、もっと面白かっただろうのに。
とはいえ、何もわかってない私でも、本当に面白かったですよ。
セリフのやり取りが実に面白い。人物の造形も面白い。これは、観に行って良かったな
〜、大満足です。
女王役のヘレン・ミレンが素晴らしかった〜!
エリザベス2世が謁見した歴代首相は12人だそうで、それを順番に演じるわけじゃないんですよね。時代が遡ったり、現代だったり、また遡ったり。
その都度、早替えの衣装替え。体型や話し方、年代、年齢に合わせて見事に演じ変えていて。きっと英国人にしかわからない “女王” というものを、素晴らしく巧みに演じていたんだろうなと思います。
首相が入れ替わる際に、少女時代のエリザベスと会話をするのだけど。その会話が、いかにも女王は孤独であるかが伝わってきて切なくなります。
ですが、首相たちとの謁見に、案外と女王は癒されているのかなと思ったりもしますね。けっこうな嫌味や皮肉なジョークの会話を交わすのだけど、流れる空気は温かかったり。もちろん首相によって違うのだろうけど。
そして温かみがあるなと思ったのもつかの間、女王という立場に思い知らされたり。「女王は首相に賛同する義務がある」といったセリフを言ってますね。
この謁見で癒され、思い知らされ、そして自分を見つめ直し、諦め、会話を楽しみ、そして女王として今後も揺るがない。
いろんなものが詰まってるな〜
ラストで泣かされるのも感動でした。
王室が時代遅れなものとして危機に陥ったこともあったようです。例え危機になろうとも、60年ものあいだ、女王が身を国に捧げてきたのだなと感じました。
それにしても、現女王と首相たちを題材にしてこんな作品を作れるなんて、イギリスすごいですね。王室をかなり皮肉るセリフとかもありますしね。
しかも、お客さんが大爆笑してる(笑)
現地でのインターバルのあいだに、脚本家ピーター・モーガンのインタビューがあって、それも興味深いです。
その後、ヘレン・ミレンのインタビューや女王の衣装やウィッグの紹介VTRが流れます。
実際のエリザベス女王の過去の衣装が、カラーバリエーション豊富で見事でした。
例えば同じグリーンでも、濃淡の濃さが少しずつ違うたくさんの衣装。素敵だったな〜
あぁ、ホント観に行って良かった。
ヘレン・ミレンさんアカデミー賞主演女優賞を取ったという『クィーン』も見てみたいな。
それから、ハロルド・ウィルソン首相がどんな人だったのかも調べたいわ。